PTCヒーターとは
PTCヒーターは自動温度制御機能有する定温発熱体です。ニクロム線のようにサーモスタットなどの温度調整機構が不要で異常温度上昇や断線などの心配がありません、バイメタル素使用した時のような温度の明道が無く、スイッチングノイズも発生しません。電圧を印加するだけで一定温度が得られます。その上、小型軽量で構造が簡単なため信頼性の高いヒーターとしてお使いいただけます。当社は材料から開発しているので、お客様の要望による抵抗値・制御温度に対応可能です。
エネルギー効率と耐久性に優れる
当社のPTCヒーターの多くは素子表面に特殊電極を構成し素子表面で発熱させるというユニークな方式を採用しています。その結果、当社の超低抵抗PTC材料と相まって、熱抵抗が小さく高出力ヒーターの作成を可能としました。
車載用としてDC12V / 24V / 48V、EV用にDC400V / 800V
商用電源用にAC100V、AC220Vにも対応可能です。
また、設定温度は50~200℃が可能です。
簡単に温度制御が可能
PTCサーミスタの特性を利用したPTCヒーターでは、温度を保つのに複雑な温度制御装置は必要ありません。
温度が上昇するにつれて抵抗値が上昇するため、一定の温度以上では電力を通さない、つまり一定温度以上には上がらず、温度をキープすることが可能です。
このような制御はPTCサーミスタが持つ特性ですので、電力のオン/オフといった制御は全く必要ありません。
そのため、切り替え時に発生するスイッチングノイズも発生しないということになります。 単純に部品を組み込むだけで加熱したい、製品の他の部分に影響を与えたくない、といった要望にもPTCヒーターであれば応えることが可能です。
安全に加熱できる
PTCヒーターはPTCサーミスタの特性を利用しているため、一定の温度以上は電力を通さなくなります。
目標としている温度に達するとそれ以上のエネルギーの供給がされなくなるため、想定していた温度よりも高くなるということはありません。
複雑な温度制御をしなくても異常過熱状態にならず、安全というのがPTCヒーターの特徴です。
ヒューズを使って、異常電流対策・・・といったことは必要ありません。製品の安全性を高めるといった用途にもPTCヒーターは活用できます。
小型、かつ設定可能温度が広い
マキシマムテクノロジーのPTCヒーターは、小型、かつ設定できる温度域が広いのが特徴です。
小型であるため、多くの製品に組み込むことが可能です。
また、設定可能な温度域は10℃~250℃と幅広く、様々な用途で活用することが可能です。
PTCヒーターの用途は様々
PTCヒーターを活用した製品や活用例の一部をご紹介いたします。
PTCヒーターの特性
自動温度制御機能
PTCの自動温度制御機能を抵抗・温度特性(図1)を用いて説明します。
いま、定常状態において、A点で動作しているとします。
この状況で、印加電圧や周囲温度が上昇するとPTCの温度が上昇し動作点がB点に移行しますが、温度上昇によってPTCの抵抗が増加し電流が小さくなります。従って元のA点 に戻るように働きます。
また、印加電圧や周囲温度が下がった場合、PTCの温度が低下し動作点がC点に移行しますが、温度低下によってPTCの抵抗が下がり、電流が大きくなって元のA点に戻るように働きます。このようなPTCの印加電圧や周囲温度が変化しても、常に一定の温度に保つように働きます。

また、PTCの自動温度制御機能を電圧・電流特性(図2)にて説明します。
PTCは、ある電圧(V-Iのピーク)以上でほぼ定電力を示します。
従って、V-Iのピークの電圧以上で、PTCの印加電圧が変わっても、電力はほぼ一定のため、安定時の温度はほとんど変わりません。また周囲温度(Ta)が変わった場合、PTCの電圧・電流特性は以下のように変化します。即ち、周囲温度(Ta)が高くなると定電力線がlからl1に、また周囲温度(Ta)が低くなると、 lからl2に移行した線に沿った特性に変化します。
従って、印加電圧(E)のときA点で安定していたものは、周囲温度(Ta)が上がると、B点に移行し電力が下がり、周囲温度(Ta)が下がるとC点に移行して電力が大きくなるため常に一定に保つように働きます。

以上、抵抗・温度特性、電圧・電流特性で説明したようにPTCは印加電圧や周囲温度の変化に対し、常に一定の温度に保つように働く、すぐれた自己温度制御機能を有しています。
なお、PTCの温度変化要因には、前のページの印加電圧周囲温度の変化の他、放熱板などの負荷の大きさもあります。
負荷の大きさについては、ほぼ周囲温度と同様に考えることができます。
負荷が大きくなる場合、周囲温度が低くなった場合と同様にまた負荷が小さくなる場合、周囲温度が高くなった場合と同じ方向で動作します。
図3に、PTCの周囲温度と電流の関係
図4に、PTCの負荷の大きさと電力の関係を示します。


PTCヒーターの昇温特性
図5に、Aと、これより常温抵抗(R25℃)の小さいBのPTCの電流・時間特性を示します。
常温抵抗(R25℃)の小さいBのPTCは突入電流は大きいが短い時間に減衰します。
また常温抵抗の大きいAのPTCは、突入電流は小さいが減衰するまでの時間が長くこのため、tA以下では常温特性の低いBのPTCの方が昇温特性は早くなりますが、例えばtCの点でみた場合トータルエネルギーはほぼ同じで、全体的に昇温特性はほとんど変わらないといえます。
なお図5の電流・時間特性において周囲温度が低くなったり負荷が大きくなると突入電流の特性(減衰)の時間が長くなる上安定電流も大きくなります。
逆に周囲温度が高くなったり、負荷が小さくなると 突入電流の特続時間が短くなり、安定電流は小さくなります。
従って、負荷や周囲温度が変わった場合も昇温特性は変化します。

PTCヒーターが活用される製品
PTCヒーターは、温度が上昇するとその抵抗が増加し、電流を通さなくなるので温度上昇も止まり、一定温度を保つことができます。温度制御を持たず、簡単に温度制御ができるので、さまざまな製品に使われています。
医療機器
PTCヒーターは医療機器において、安全性と精密な温度制御が求められる場面で活用されています。例えば、温熱療法機器では適温を維持しながら体を温める役割を果たし、吸入器では適切な温度の蒸気を供給するために使用されます。また、血液や試薬の保温装置にも採用され、安定した温度管理が可能になります。自己温度制御機能により、急激な温度変化を抑え、患者の安全性を確保できる点が大きなメリットです。
家電製品
家庭用電化製品において、PTCヒーターは安全性と省エネルギー性を兼ね備えた加熱機構として広く利用されています。電気ストーブやファンヒーターでは安全な暖房を提供し、電気ケトルやコーヒーメーカーではお湯の加熱・保温機能に活用されます。また、ドライヤーでは髪を傷めにくい適温の温風を実現し、加湿器では適度な蒸気を発生させる役割を担います。自己温度制御機能により、長時間使用時の過熱リスクを抑えられるため、ユーザーにとっても安心して利用できる製品が増えています。
産業機器
工業分野では、PTCヒーターが温度管理が必要な生産プロセスで活用されています。例えば、熱収縮チューブ加工機や精密機器の恒温装置では、一定の温度を維持しながら加工・保温を行うことが求められます。また、液体や気体の加熱装置にも組み込まれ、エネルギー効率の高い加熱が可能となっています。さらに、防爆仕様の加熱システムとしても採用されることがあり、安全性が最優先される環境でも信頼性の高い加熱技術として利用されています。
車両
PTCヒーターは自動車やバイクなどの車両にも広く採用されています。特に電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)では、エンジンの廃熱を利用できないため、PTCヒーターが車載ヒーターとして活躍します。また、シートヒーターやステアリングヒーターにも利用され、寒冷地での快適性を向上させています。さらに、バッテリーの温度管理にも役立ち、寒冷時にバッテリーの性能を維持するための加熱装置として機能します。自己温度制御により、過熱を防ぎながら効率的にエネルギーを消費できるのが大きな利点です。
カスタムPTCヒーターについて
マキシマム・テクノロジーでは、お客様の要望に合わせてPTCヒーターのカスタマイズが可能です。サイズや形状、温めたい温度などご相談下さい。
下記のようなご相談・お困りごとに対応することが可能です。
海外製のPTC部品のバラつきが多く、回路に悪影響が出ている
当社は素材から国内一貫製造し、出荷前の全数検査を徹底。ばらつきが極めて少なく、当社PTCサーミスタ製品は、信頼性重視の国内自動車メーカーでも70%以上の採用実績があります。
制御回路を組まずに、温度制御を簡略化したい
PTCヒーターは温度が上がると自然に電流が抑制されるため、サーモスタットなどの制御回路が不要なケースも多く、部品点数・回路設計の負担が軽減できます。ヒーター本体で温度の自己制御が可能です。
設置スペースが限られており、既製品が物理的に入らない
サイズ・形状・リードの方向など、筐体に合わせて1から設計対応可能です。熱源やヒートパスを考慮した設計支援も行います。
加熱後に一度ヒーターを切りたいが、制御回路が複雑
PTCヒーターはある温度以上で自然に電流を抑制するため、通電し続けても過加熱しにくい設計が可能。簡易的な構成で温度制御が実現できます。

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